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バンコクはいつも大渋滞。
そして、2車線には必ず3台並んで3車線になるし、割り込みは日常茶飯事で、運転マナーは良いとは言えない。
また、もし事故が起きた場合、相手のドライバーもお巡りさんもタイ語しかしゃべらないので、コミニケーション(交渉)が難しい。
したがい、日本人が運転することは余り推奨されておらず、駐在員には車&運転手さんがあてがわれるのが普通。
でも、前回の駐在時は、土日は自分でも運転していた。
そして、違反に気が付かずに、時々お巡りさんに呼び止められていた。
話は全く変わって、政治家に賄賂は付きもの。
利権を持っている人は賄賂に手を出してしまう。
その利権が大きいほど賄賂の額も大きくなるのであろうが、小さな権力にだって少額の賄賂が付随する。
そして、街に出ているお巡りさんだって小さな権力を持っている。
交通違反取り締まりと言う名の利権。
話を20年前に自分で運転していた時に戻す。
違反を見つかって、お巡りさんに「おいで、おいで」をされて免許証を見せると、必ず一言「100バーツ(300円)」と来る。
違反切符を切られるよりは良いので、シブシブながら支払って、わずか数分で無罪放免。
お巡りさんにとってもドライバーにとっても、これはこれで良いシステム。
(何のために交通法規があるのかと言う根本的な問題はあるが)
ある日のこと、右折違反でいつもの様に「おいでおいで」されて免許証を見せたら、なんと「500バーツ」と吹っ掛けてきた。
「お、今日は手強い」と思いながら相場の通り、「100バーツ」と返答。
お巡りさんは、真ん中を取って「では、300」と値下げ。
もう一度「いや、普通100でしょう」と再び返したら、しばらく睨み合いが続いたが、相手も折れて「200」に再値下げ。
パッポンなどの夜店で値引き交渉するのと全く同じに状況になったが、「200なら良いか」と財布を取り出したら、なんと500バーツ紙幣しか入っていない。
「しまった!」と思いながらも、「これしか持っていない」と500バーツ紙幣を出したら、お巡りさんは紙幣をポンと取って、そばにあったタバコ屋さんへトコトコと歩いて行った。
そして、タバコ屋のおばちゃんに100バーツ紙幣に両替して貰ってから戻ってきて、「ほら」と300バーツのお釣りをくれて、一件落着。
タイにいると、色んなことがあって面白い。
別の日のこと、街を歩いていたら、ベンツがお巡りさんに捕まる場面に遭遇した。
黒フィルムが貼ってあって車内が見えないベンツの運転席のドアウィンドーが数センチだけ下がり、そこから免許証だけがスルーと出て来た。
お巡りさんはその免許証を取り上げて、名前などが書いてある表を一瞬見てからひっくり返したが、裏になんと100バーツ紙幣が貼ってあるのが見えた。
お巡りさんは、その100バーツ紙幣を剥がしてから、免許証を数センチ開いているドアウィンドーに戻して、そのまま立ち去っていった。
その間、10秒。
「ワー、格好良い!」
はじめから100バーツ紙幣を貼り付けておけば、無駄な交渉をしなくても良いんだ。
前置きがとても長くなったけれど、その日の晩、家に戻ってから自分の免許証の裏に100バーツ紙幣を貼り付けたのは、勿論のこと。
この免許証、一回だけ有効活用した。
ちなみに、これは20年前の話。
今は、自分で運転していないが、後席に座って周りを見ている限り、お巡りさんが小さな利権を行使することは無くなっているみたい。
以前はタイの免許証を取得して、堂々と運転していた。
でも、有効期限を見ると1995年(2538年-543年)になっている。
1997年まで運転(駐在)していたのだけど、有効期限が切れたままで乗っていたのかなあ??