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ぐるっと西日本1ヶ月    =その3=    (山陰編)

2015年6月6日~7月4日


出雲大社へ行来たかったので、山陰巡り。
世界遺産の石見銀山へも。


6月22日
石見銀山)


世界遺産フリークとしては、山陰に来れば、もちろん「石見銀山」。
「いしみ/石見」と書いて、「いわみ」と読む。
派手さが全く無く、観光地らしくないのが良い。
ここも構成要素が14カ所もあり、ややっこしい。
山道なので、レンタルの電動自転車が便利だった。


石見銀山の要所要所の道に埋め込まれていた案内板。
とても分かりやすくて、良いアイデア。
でも、ここだけでしか使えない一発物なのに、鋳物の型を作らなくてはならないので、コストが掛かっていそう。


出雲大社のそばまで来て、日御碕灯台。
日本で一番高い灯台らしい。


TVのサスペンスドラマに良く出てくる日御碕(ひのみさき)。


久し振りに夕陽を拝めた!


夕陽写真をもう一枚!


夕飯に山陰で取れた魚の盛り合わせ。
お醤油が合わなくて、色々持ってきて貰ったのだけど、甘かったり、濃かったり、シジミ味だったり、全く自分に合わなくて、お刺身を美味しく食べられなかった。
お醤油が、味覚の邪魔をするのは初めての経験。
ちょっとビックリ!

6月23日
(足立美術館と出雲大社)


今日は「足立美術館」。
入口正面にドーンと飾ってある横山大観の屏風絵「紅葉」が痛く気に入ってしまった。


今日のお宿は、出雲大社の一番近くにある旅館「竹野屋」。
竹内まりやの実家で、お兄さんに荷物を持ってもらっちゃった。
今では泊まり客しか手に入らないというCDをゲット。


念のためにコンビニで普通のお醤油を手に入れていたのだけど、さっそく活躍。
当地のお醤油、甘すぎ!

6月24日
(出雲大社、そして松江城も)


今日の朝散歩は、誰もいない出雲大社。


亀さんも朝散歩。


出雲大社、風格が漂っている。


ウサギさんが大勢。


陽が当たって綺麗だったので、紫陽花ふたたび。


出雲大社、2枚追加。


「バタデン」に2駅だけ乗ってきた。


出雲大社に生えてる杉のたくましい根っ子。



松江城へ。
もうすぐ重要文化財から国宝にグレードアップするんだそうな。
姫路城に続いて、木造の天守閣が素晴らしい。


今日のお宿は、松山のそばの玉造温泉。
団体の予約がキャンセルされたとのことで、泊まり客は自分達だけで、貸し切り状態。
女湯が露天風呂とのことで、露天風呂独占。


玉造温泉の旅館で、夕飯付きに出来なかったので(その原因だった団体客はキャンセルになったけど)、温泉街のお寿司屋さんへ。
まずは、「山陰の幻の魚」と銘打たれている「ノドグロ」の一夜干し。
白身魚の割には脂が乗っていて、美味しい。(でも、希少なのか値段が高い)
次に、トビウオ(当地名アゴ)の揚げ物。
これは、あまりに美味しくて、「もう一皿」と追加。...
握りも美味しかった。
鮭以外は、山陰/日本海で取れて、境/鳥取の港に上がった魚とのこと。
マグロも日本海で穫れるのを初めて知った。


そして、醤油に再び悩まされてしまった。
旅の途中で手に入れた「関東人にとっての普通の醤油」を持ってくるのを忘れてしまい、甘ったるいのと、しょっぱ過ぎるのしか無くて、せっかくのお鮨をお醤油無しで食べることに。
お店の人曰わく、「お鮨の味を邪魔しないように”たまり醤油”は使ってないんですよ」とのことだったけど、当地の普通のお醤油でも甘過ぎて、充分に邪魔してる。

6月25日
(出雲大社再び、そして鳥取砂丘も)


出雲大社関連を、もう少し。
毎年10月に出雲大社に集まるために全国の神様が上陸する「稲佐の浜」。
そして、ヤマト族と出雲族による「国譲り」と言う名の談合が行われた「因佐神社」。
あれ、工事中で、神様は出雲大社の上宮にお引越中とのこと。
本殿の式年遷宮は一昨年終わっているけど、出雲大社全体の式年遷宮は来年まで続いてる。


青銅の鏡が古墳から出土されるのは知っていたけど、「ザラザラの表面なのにどこが鏡なんだろう」と何となく疑問に思っていた。
「古代出雲歴史博物館」の展示物を見て、長年の疑問が氷解した。
いつも紹介されているのは裏側だけで、銅なんだから、磨けば良いんだよね。


出雲大社の隣にある県立「古代出雲歴史博物館」がとても面白かった。
質問しまくったら、学芸員の課長さんが奥から出てきて、熱く説明してくれた。
曰わく、
・平安時代の本殿は、日本の他の建造物どれよりも高くて48m、東大寺の大仏殿(45m)よりも高かった。
・出雲大社の近隣から弥生時代のヒスイの祭具が見つかっており、紀元前後からこの地に出雲族の神が祭られていたはず、等々。

出雲大社の成り立ちを、自分はこう理解した。
・奈良時代より以前(飛鳥時代の頃?)に、圧倒的な力を誇示していたヤモト族/天皇家が、何らかの理由で武力だけでは押さえつけることが出来なかった出雲地方の豪族(和族)に対し、格式を与えることを条件に、権力を放棄させた。
(国譲りという名の談合で、これによりヤマト族による日本統治が完了)
・ヤマト族は、談合結果を遵守しながらも、古事記と日本書紀と言う勝者の理論に基づく神話を創作し、出雲族(和族)を 大国主(おおくにぬし)として祭り上げ、国譲りの約束に基づき出雲族の神地にどこよりも背の高い出雲大社を創建。
・「大和をなぜヤマトと読むのか」と昔から不思議に思っていたのだけど、出雲風土記関連のWebを読んで、納得。
曰わく、
中国との交流は地の利から出雲族(和族)が主流だったが、国譲りにより中国交流をヤマト族が受け継いだものの、中国には理解されず、「和族と他の地域を統合して大和(さらに大きな和族)を作り上げた」と説明。
したがい、中国向けに漢字では大和、読みは従来の自国名ヤマトとなった。

2000年を越える日本のストーリーを、自分なりに納得。


「砂時計」のもう一つの舞台になっている鳴り砂の「琴ヶ浜」。
試しに砂浜を歩いてみたけど、全く鳴らなくて「なぁ~んだ」と思ったのだけど、海岸沿いの少し砂の色が濃くなる部分に来たら、キュッキュと鳴った。
アップ済みの動画でキュッキュという音がちゃんと撮れている。
ちなみに、「砂時計」は、出雲大社も含めて島根県のアッチコッチをフューチャーしたドラマなんだね。

「砂時計」の舞台になった琴ヶ浜の鳴り砂。(26秒)


嫁さんと子供達が夢中で見ていたドラマ「砂時計」に出てくる「 仁摩サンドミュージアム」。
自分は仕事に邁進していたのか全く観ていなかったので、何のことだか分からなかったけど、要は大きな1年砂時計があるんだね。
ガラスのピラミッドの中にあるので、ルーブルみたい。


今日の泊まりは「津和野」。
山陰の小京都と言われている本当に小さな小さな街。
土日だけ運行しているSLやまぐち号の終点で、駅前にD51が展示してある。(やまぐち号はC57)
旅館は、良く言えば老舗、悪く言うと古びているけど、桧風呂が粋。
なんだかんだで、島根県4泊目。

6月26日
(秋芳洞と萩)


雨の津和野


「秋芳洞」は、小学生の頃からの憧れの地で、50年以上の想いが叶った。

今朝の大雨で、秋芳洞の中は濁流。(20秒)


萩まで来たので、名物「瓦そば」。
アッチッチに焼いた瓦に日本そばが乗っかってる。
日本そばの焼きそばと言った感じ。
(訂正:「瓦そば」は下関名物だって)

6月27日
(萩と下関)


今秋に世界遺産に登録される予定の「明治日本の産業革命遺産」。
8県に点在するので、全て訪問するには時間が掛かりそう。
今の内から少しずつと思い、萩にやってきた。

萩で登録されるのは5カ所。
①萩反射炉(製鉄所)
②恵美須ヶ鼻造船所跡
③大板山たたら製鉄遺跡
④松下村塾
⑤萩城下町


明治時代の「製鉄、鉄鋼、造船、石炭産業」に特化した遺産なのだけど、ここ萩に限って言えば、こんなに華の無い(見応えの無い)世界遺産は初めて。
②の造船上跡に至っては、何の遺跡も無く、ただの原っぱ。(名称は正直に”跡”になっている)
④と⑤は、産業遺産という趣旨との関連性が希薄。

なんか悔しくて、華のある遺産候補を急遽見に行くことに。
どこまで足を伸ばすかは後のお楽しみ!


萩まで来たのは、今秋には世界遺産に登録される街であろうから。
萩地域で5カ所が指定される予定で、その5カ所全部を今日訪れたが、そこら中にあったのが、この表示。
マムシぐらいでは世界遺産フリークは脅かされないぞ!


萩町のガードレールの色を確認しようと思って外に出たら、ホテル前の交差点形状にビックリ。
「歩行者は地下道で横断」になっていて、そのための地下道入口が歩道を塞いでる。
交差点を渡らないで真っ直ぐ行く人は、車道にはみ出ないと歩けない。
「狭い歩道のど真ん中に電柱が立っていて、傘を持っていると車道側に出ないと通れない」のと同じで、人のことを考えていない都市設計の典型。


=7月14日 追記=

山口県は萩の「夏ミカン丸漬け」。
皮は夏ミカンそのもので、中はヨウカンになっている。
嫁さんが「どうしても欲しい」と言うので、萩泊まりの翌朝一番でお店に行ったのだけど、寸での差で二番客になってしまい、「今日の店頭用は一個だけです」とのことで、手に入れられず。
その時に注文しておいたのが、東京の我が家にやっと届いた。
出来上がるまで5日間掛かるらしく、1日80個が限度とのこと。
予約だけで数ヶ月先まで埋まっているらしい。


「ふぐ」が食べたくて、下関に。


食後のデザートに、唐戸市場で、ブリトロ、中トロ、マグロのほほ。


さらに、マグロの脳てん。
これが食べたかった。
美味しい!


下関のマンホールの蓋は、やっぱり...




まさかと思ったけど、隙間に入れた。
それも一発で。
プロだねぇ~!
下関の「海峡ゆめタワー」から、関門橋を見ないで、こっちを見てた。


今朝は雨で朝散歩が出来なかったので、代わりに本州と九州を往復30分の散歩。
片道780mで、意外に近い。
地元の人がウォーキングやランニングをしているし、原付を押してる人も沢山いて、生活の一部になってる感じ。


関門橋や大砲よりも気になるのが送電線。
本州と九州を繋いでいるけど、どっちからどっちへ電気が流れているんだろう?

※後で調べたら、本来の目的は、発電所事故停止時の相互保管らしい。
能力的には九州から中国への送電容量の方が大きい。

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