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アジアの利権


「日本は何故戦争に突き進んだのか」を確認したくて、色々な本を読みあさっている。
キーワードの一つが、「歴史認識」。
「アジア諸国が西欧列強から独立出来たのは大東亜戦争のおかげ」と言う歴史認識には賛同しない。
当時の日本にとっての大東亜戦争は、あくまでも「アジア圏内の利権確保」が目的だったと理解している。
「アジア諸国の西欧からの独立」は単なる結果論に過ぎず、世に言う「戦争の美化」と思う。

ロシア帝国を打ち負かし、西欧列強と肩を並べたと勘違いして、「アジアの利権は日本に寄こせ」とやりすぎて、米国に打ちのめされたのが太平洋戦争だったというのが私の歴史認識。

今のアジアの動きに目を移せば、大中国圏の復活を目指して、100年のスパンで着々と目的の実現に向けて進んでいるのが今の中国。
①国力の復活
②国際世界へのデビュー
③国力の誇示
④アジア最強国としてアジアの利権確保
以上4つのフェーズを100年の計とし、中国は今③を実行中。


大東亜共栄圏を目指して突き進んでいた時の日本も③の状態で、④に進もうとして打ちのめされた。
「過去の日本の失敗を反面教師とし、当時の日本に替わり、④の実現に向けて着々と突き進んでいるのが今の中国」と言うのが、自分のもう一つの歴史認識。


「計画的に虎視眈々」という中国のやり方は、「猪突猛進(先も読めずに一心不乱)」の日本よりも数段に賢い。
但し、恐ろしいのは、力を誇示する過去の日本と同じ過ちの思考に入っていることと、国の体制が一党独裁であること。

なんのことは無い、日本のわがまま「大東亜共栄圏」の発想が、今は中国のわがまま「大中国圏」に取って代わっただけで、アジアの利権を一つの国で独占しようとしていることに代わりは無い。

2015年7月27日 Facebookより

=追記=
中国は「③国力の誇示」フェーズにあると1年前に書いたが、今の南シナ海での動きを見れば、ついに「④アジア最強国として利権確保」という最終フェーズに入ったことが分かる。
最終フェーズの中には、南シナ海の次のアクションとして東シナ海(尖閣諸島と沖縄)が具体的なターゲットになっていることは、アジアの利権確保という目的から考えれば明らかなこと。
物事を100年のスパンで考えている中国は、戦後100年となる2045年までには大中国圏の完成(アジアの利権確保を達成)させるシナリオを描いているはず。
したがい、今の南シナ海での中国のわがままを食い止めないと、日本にも十年または数十年後にとんでもない影響が及ぶことになる。
そのために日本は今どうすべきかを常に考えていなければならないと思っていて、その危機感を持たず、さらに対応策を提示しない(出来ない)政党には投票しないことにしている。

2016年7月27日